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転機

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日本全国いたるところで桜が見頃を迎え、
淡いピンク色の花弁を前に、人々は心に春を感じている。


完美世界においては、明確な四季というものは存在しておらず、
降雪に悩まされるごく一部の地域を除き、
剣仙城や祖龍の城などの都市周辺は、年中暖かな過ごしやすい気候である。


よって休日ともなると、市街地の堀・公園の噴水・近郊の川や湖は、
遊泳を楽しむ人々で大いに賑わっている。


しかし。
最近、ある都市伝説が流布し、完美世界の人々を恐怖に陥れている。
本来、海にしか生息しないはずのあの生物が人を襲っているというのだ。
ありえない噂話と笑う者も少なからずいた。
だが・・・


祖龍の城公営プールで、
噂は、現実となった。



















PiPiPiPiPiーーーー

けたたましく鳴らされた警笛につづき、
監視員が叫声とも悲鳴ともとれる大声をあげた。



















「鮫だーー!」 





















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       まえの
「鮫が出たぞー!!」












噂の正体はやはりこの男だった。
毎度の事ながら人騒がせな話である。













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ちっ、、!
俺としたことがクエスト表示消しとくの忘れてたぜ。
せっかくのシャッターチャンスを逃しちまったっ!










あ~あ・・・くっそー
最近ちと寝てばっかで、クエストかなり溜めちまってたなあ。
さすがにちっと消化しとかないとやべえな。
やるかあー
めんどくせーなーもー


遊び呆けてたアナタが悪い。




















だってぼくコドモだもーん。
毎日が!夏休み!



























ハゲでヒゲのコドモねぇ


























う、うるさーーい
おまえあっちいけーー



はいはい。






















・・・フン。
じゃあとりあえずクラス昇格クエでもやるかー。
えーと、山に行って「芝馬」を採ってこい?なんじゃそりゃ。


























-----二時間後-----


























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うええええん
芝馬なんてどこにもないよぅ・・・






前野は山で一人もんどり打っていた。



















うぇぇぇ・・・ん






















前野はまぶたを赤く腫れ上がらせ泣いていた。
すると、どこからか人の会話する声が聞こえてきた。



























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し、芝馬ぁ!?
ドコだ?ドコのドイツだ?
ん~???

























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いたあー♪
ピンチの時ほどチャンスは訪れるってな!
神様ありがとおおおおお





でもぼく、トゥー・シャイ・シャイ・ボーイだから・・・
コッソリ後つけちゃお。























ストーカー前野・爆誕



















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(よーし、いいぞいいぞ・・・)

















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(あったー!芝馬やぁぁぁ!)




・・・よし。後は奴らがいなくなったところを見計らって
芝馬を頂戴するのみ。
我ながら冴えてるぜー





















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とりあえず怪しまれないように座禅でも組んどこ。





















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うっ、、!



















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・・・


















ねぇ・・・
まだコッチ見てる?




見てる見てる


















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・・・まだ?



うん。まだ。






















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・・・もしかして後つけてたこと、バレちゃったのかな?



どうでしょうね。




















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こわいから死んだふりしとこ。





















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ああっ! 

















えっ!?
なになに?!


















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あああああーーー!!
何だあれはーーーーー!!

お宝?ねーねー
お宝?

うおおおおお
死んでてよかったあ~~



















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よっしゃあ!
昇格クエをとっとと終わらせてお宝掘るどおおおお





















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おっと芝馬を忘れず採取しないとなー。うへへ・・・





こうして前野は持ち前のずる賢さをフル活用し、クラスUPを果たした。
そしてすぐさまお宝を回収しに向かったのだが・・・

























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なにー!
まだあのトレジャーハンターがいやがる!
何時だと思ってんだちくしょーーー
あんなに居座られてたら獲れねーじゃねーかあああ
こうなったら力ずくで奪うしかねえ!



















でも、剣に乗っちゃってるってことは、
レベル30オーバー?







・・・調子こきやがってウドがー。
俺をなめんなよ。
俺は前野だ!


レベルがなんぼのもんじゃあ! 


やってやる!やってやるぞーーー!
ヨーーーシ






























諦めよう。























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お宝を諦めるばかりかブツまで差し出す負け犬・前野。
しかし、後にこの行動が彼の転機となろうとは
この時点では誰も、
彼自身ですら予想できなかった。






















そそくさと村へ敗走した前野のところに、
なんと先程のトレジャーハンターから電話がかかってきた!
軽くビビり入りつつも、前野は電話に出た。
すると、電話の向こうから予想もしなかった言葉をかけられた。


















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「暖かい」

彼のこの一言に、前野のハートも暖まった。

生まれてこの方、人に恨まれこそすれ
感謝されたことなど一度も無かった前野の、
永久凍土のごとくカッチカチに固まっていた心が今、
やわらかな光に包まれゆっくりと融解していく・・・





















ぼく、
人の役に立ちたい。 












・・・次号、誌面にて重大発表アリ。
お見逃し無く!

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by pw_maeno | 2007-04-12 01:55 | 前野